【理系の学生必見】研究室の選び方ー後悔・失敗しない方法ー
今回は、理系(化学・生物系)の学生が必ず通る、「研究室選択」。
絶対に後悔・失敗したくない研究室配属。
高校や大学受験と同じくらい重要な進路選択になってきます。
そこで、大学から大学院の二年間の間に2つの研究室を経験してきて、どちらの研究室でも大満足な日々を送ることのできた自分だからこそわかる、失敗・後悔しない研究室の選び方を紹介します!
この記事は
・自分に合った研究室に行きたい
・何を基準に研究室を選べば良いか分からない
という人の問題を少しでも解決できればと思います。
目次
- 研究室はどんなところ?
- 自分が何をやりたいのか
- 選ぶときのポイント
1. 研究室はどんなところ?
「研究室なんてどこに入っても大差はないだろう。。。」
なんて考えていませんか?
研究室選びは、よく考えて慎重に選んでください。まだ研究室に入ったことない状態から研究室に入ると生活も大きく変化し、まさに研究室中心の生活に変わります。
1日の大半を研究室で過ごし、短くても一年間、大学院に進学するなら三年、六年間過ごすことになります。
研究室は、社会コミュニティの一つだと考えるのがベストだと思います。
毎日、研究室に通い、研究活動に加えて、研究室運営の手伝いや業務、教授やメンバーとのコミュニケーションなど重要になってきます。
もし、合わない環境に入ってしまったら、大きなストレスや、人間関係のトラブル、さらには不登校にもなってしまう可能性があります。
そんなリスクを少しでも回避し、より良い研究生活を送りましょう。
2. 自分が何をしたいのか
まず、研究室で自分は何をしたいのかを知ることが最も重要です。自分が求めていることを知ることで、自分と合う研究室を選ぶことにつながります。
一度じっくりと考えてみてください。研究にはあまり力を入れず、バイトやサークルなど他のことに取り組みたい。すぐに就職活動をしたい。博士号の取得を目指して結果にもこだわりたい。仲の良い友達と楽しく過ごしたい。などなど。
自分のやりたいことによって、拘束時間の短い研究室や、自由な風潮の研究室、業績の多い研究室、先輩の雰囲気の良い研究室など、選ぶ基準が見えて来ると思います。
私は、「研究に没頭して専門性を身につけたい」と強く思っていました。
なので、しっかりと研究できる環境の整った研究室を選びました。
3. 選ぶときのポイント
3.1. 研究テーマ
自分が興味を持って取り組めるかは研究活動のモチベーションにつながるので、重要だと思います。
しかし、詳細な研究テーマなど、研究活動を始める前の地点では、正直ほとんど理解できませんでした。
そこで、漠然とでいいので興味を持てるかどうかを考えましょう。このとき、研究室のホームページの研究内容に目を通すのがベストです。しかし、難しい内容も多いので、トップページにどんなことが書かれているかから、ある程度イメージするくらいでもOKです!
具体的にはは、化学であれば、実験がメインなのか理論がメインなのか、有機化学か無機化学か、基礎研究か応用研究か、有機合成か材料開発なのか、医薬品応用なのか環境問題解決を目指すのか、などです。
ちなみに自分は、「環境問題解決につながる材料開発」に興味を持っていたので、「グリーンケミストリー」をテーマに掲げている高分子材料化学の研究室を選びました。
漠然とで良いので研究テーマを考えてみましょう。
3.2. 教授の人柄
これは、特に重要だと思います。誰にでも絶対に合わない人柄がいると思うので、教授の人柄に注意しましょう。
それに加えて、教授がどれくらい研究室にいるか、教育熱心なのか自由にやらせてくれる方針なのかなどの情報も集めましょう。
教授が忙しく、あまり研究室にいなければ、コンタクトや相談することが難しいかもしれません。また、研究に没頭したいというタイプの学生であれば、教育熱心な教授のもとで頑張る方が得られるものが多いかもしれません。しかし、就職活動などに注力したいのであれば、あまり教育熱心すぎず、程々で自由にやらせてもらえる、いわゆる放任主義的な指導方針の方が良いかもしれません。
自分は、学部時代は自由に好きなことをやらせてもらえる研究室で、現在は熱心に指導してくださる研究室に所属しています。学部時代は、興味のある実験を好きなだけやらせてもらえ、さらに、自分の希望で論文まで執筆させてもらえました。自由にやらせてもらえるからこその利点だと思います。もちろん、相談に行けばいつでも丁寧に対応してくださり、放任といった様子はひとつも感じませんでした。
現在は、熱心に教育してくださり、学生を本気で一人前の研究者に育てようと指導してくれます。
講義の時の教授と研究室での教授の様子は大きく異なることが多いので、実際に研究室に所属する先輩方から情報を集める、もしくは、直接教授と話すことをお勧めします。
3.3. コアタイム
コアタイムとは、研究室にいなければならない時間のことで、いわゆる拘束時間のことです。コアタイムは研究室ごとに設定されていることがほとんどです。
朝が苦手なら少し遅く始まる研究室や、夜はバイトをしたければ早く終わる研究室を選ぶなどすると良いでしょう。
コアタイムはあくまで目安で、それ以上の時間いることも多いですが。。
拘束時間の長いブラック研究室を見極めるポイントとしては、コアタイムの終わりの時間が決まっているかということです。
あくまで経験談や友人の研究室の話によりますが、10:00-と始まりの時間だけ決まっている研究室の多くは、終わりの時間がなく、夜中になってもなかなか人が帰らない可能性が高いということです。コアタイムが決まっているからこそ、その時間が過ぎれば、帰ろうと割り切れるものがあるのかもしれませんが、終わりの時間が決まっていなければ割り切ることができないのかもしれません。
3.4. 研究室の規模、予算
研究室がどれくらいの規模なのかということも重要です。なぜなら、教授との距離間や研究設備の充実さに関わってくるからです。
大きな研究室であれば、様々な装置が揃っているかもしれません。また、海外からの留学生が多数在籍することもあり、英語の勉強にも取り組むことができ、グローバルな雰囲気を味わい、将来の準備をできるかもしれません。
一方、小規模であれば、より教授との距離が近く、得られるものが増えることがあれば、プレッシャーが増えることもあります。自分が何を求めているかじっくりと考えて合う方を選びましょう。
また、研究予算は研究を進める上で重要になりできるだけ多い研究室を選ぶと良いでしょう。予算がもし少なければ、必要な試薬が買えなかったり、学会などの交通費も負担してもらえないということもあります。
逆に、予算がたくさんあれば、新しい装置や、パソコンを買ってくれることもあるとか。
ポスドクがいるかを確認すると良いでしょう。研究室は給料を払ってポスドクを雇うので、予算がなければ雇えないからです。
そして、研究費については教授よりも、先輩に予算的な不自由があるかどうか聞くのがお勧めです。
3.5. 学生の様子、研究室の雰囲気
楽しく過ごしたいという人にとって研究室の学生の雰囲気は特に重要です。
先輩の様子を見れば先輩の仲の良さがわかるでしょう。また、昼食はどんな感じで食べているかを聞くと良いでしょう。なぜなら、先生も含めてみんなで食べに行くところもあれば、各自で食べるところもあります。どちらを求めるかを考えると良いでしょう。
また、教授やスタッフの方とコミュニケーションを取りやすいかどうかも重要です。気軽に相談しやすい風通しの良い研究室が一番だと思います。博士課程まで進学を考えるなら、教授とコミュニケーションがとりにくい雰囲気ならとても苦労するので、要注意です。
また、博士課程の学生がどれくらいいるかも重要です。博士課程まで進学するということは、居心地が良くなければ選択しないと思います。また、博士の先輩が面倒を見てくれたり、研究について教えてくれることもあるので、自分の研究への取り組み方も大きく変わってくると思います。
3.6. 過去の業績
博士課程進学まで考えているなら、過去の業績は非常に大事なります。なぜなら、その研究室でどれくらいの成果を出せるかの目安になるからです。
業績とは、過去の出版した論文や特許、学生の受賞歴などを見ると良いでしょう。
論文については、出版論文数やインパクトファクター(IF)の高いジャーナルに出版できているかなどです。
また、教授の年齢を見るのも良いかもしれません。
なぜなら。若い教授ほど業績を収めることに対して、スピード感があることが多いからです。学生と同じようなスピード感、タイムスパンで対応してくれることが多く、より業績を得ることに力を入れることが多いです。
いかがでしたか?少しは研究室の選び方のイメージができましたか?
まとめると、
1.自分がやりたいことを知る
2.基準をもとに、研究室の情報を集める
ことが重要です。
あくまで、今回の記事に書いたことは一般論なので、実際に研究室に訪問したり、先輩と直接話して情報を聞き出すことが重要でしょう。
最後に、自分の経験談として、先輩と話すときに、他の研究室の悪い点を教えてくれる研究室は要注意かもしれません。他の研究室を悪く言わないと、自分の研究室の良さが伝わらない。という可能性があるからです。
ぜひ、良い研究室選びができることを祈っています!